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【ユニオンアリーナ】宿儺デッキの強さの理由と国内競技環境の変遷|ユニアリコラム

コラム

環境を席巻する〈宿儺&虎杖〉デッキ

直近の競技環境で活躍を見せ続けている〈宿儺〉デッキ。元々強力なデッキタイプでしたが、9月頭の〈赤学園〉デッキの規制、10月末の『NewCardSelection』発売と二度の追い風が吹き、現在ではTier1の中でも最高の強さとシェア率を誇るデッキとなっています。

今回の記事では、そんな〈宿儺〉デッキの強さを解析し、体系的に解説していこうと思います。

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国内における競技環境の変遷

〈赤学園〉規制前

〈宿儺〉デッキ、もとい「青 呪術廻戦」は最初の競技環境である「CS2023 エントリーマッチ」から一定数のシェアがあり、決勝トーナメントに進出するパワーを持つデッキタイプでした。ただ、この頃は圧倒的な攻撃速度を誇る〈赤学園〉デッキには弱く、ドローによる安定した展開とインパクトによる攻撃をしやすい上位デッキの一つという立ち位置でした。

当時の〈宿儺〉デッキはレイド《虎杖悠仁》が採用されていないリストが多く、どちらかと言えば潤沢なドロー効果により《宿儺の指》を集めて《伏魔御厨子》や5レイド《宿儺》による重めの戦術を重視する傾向にあったと記憶しています。また、そもそも当時は情報が少なく、コレといったリストが周知されていなかったため、人によってデッキタイプが大きく異なっているのが実情でした。

今でこそ考え難いですがレイド《虎杖》の不採用は当時としてはおかしくなく、環境の一線を走る〈赤学園〉に対して有効になりづらいのが要員でした。レイド《虎杖》はBP4000のレイドキャラをバウンス除去して戦闘テンポを取ることに長けているカードですが、〈赤学園〉は小型の非レイドキャラで速攻するデッキなので、バウンスされても大きなロスになりません。さらに、BP4000で《ナナリー》によるアンブロ効果でブロッカーとして機能しづらい点も向かい風でした。

なお、エントリーマッチ及び関東A予選はどちらも〈赤学園〉デッキが優勝しています。

〈赤学園〉規制後

9月の〈赤学園〉の規制以降、環境のゲームスピードは明確に減速することとなりました。新たに登場した〈紫銀魂〉を筆頭に〈紫ギアス〉〈青テイルズ〉といったBP4000・インパクト・除去能力を持つ肉厚なデッキが中心となる環境に変わっていきました。〈宿儺〉デッキもそれらと同じく、強力な能力を満遍なく持つデッキなので立ち位置は良かったように思います。

ただ、当時の最流行デッキである〈紫銀魂〉との相性がやや悪い傾向にありました。〈紫銀魂〉はフィールド《松下村塾》を軸とするアグロタイプと、《高杉晋助》を第ニ軸とする除去ミッドレンジタイプに二分されており、後者の方が環境にやや多かった記憶があります。同じ除去ミッドレンジ型のデッキを選択するにしても、相手のデメリット退場時効果を発動しにくいレイド《虎杖悠仁》に除去手段を頼る〈宿儺〉デッキよりも、退場除去ができる〈紫ギアス〉が優先されやすい傾向があったように感じます。また、この時点ではレイド《虎杖》の採用率がまだ低かったため、発展途上の状態にあったとも言えそうです。

10月の中部エリア予選は、BLEACH・ブルーロックの発売後初のCS予選でした。新規で流行した〈紫BLEACH〉は〈紫ギアス〉と〈宿儺〉を足して割ったような性能で、退場除去とドローの両方の特色を持つ、バランスの良いデッキです。このデッキの登場により、環境の除去ミッドレンジ型デッキの数が増え、面展開+除去による数押し型のダメージプランを取る方が増えています。

バランス良く戦える〈紫BLEACH〉ですが、場外リソースの制限や複数種のレイドラインを採用する都合、《虎杖悠仁》によるバウンス除去が効きやすい傾向にあります。そのような理由から、虎杖採用型の〈宿儺〉デッキがこの時期から成績を伸ばしたと考えられます。

なお、この時期の優勝はどちらもアグロ型〈紫銀魂(白夜叉)〉となっています。

NEW CARD SELECTION 発売後

10月下旬には『New Card Selection』が発売され、新たに3種の青いカードが実装されました。

新規カードの中では《虎杖悠仁》が特に強力で、従来のColor枠であった3-2《虎杖悠仁》よりも小回りが効く上に、《松下村塾》に強いBP3500を持っていることもあり、派手なカードではないもののデッキに与える影響は小さくありませんでした。元々Color枠は旧《虎杖》と《七海》で散らされているなど、やや消極的な採用となっていました。そこに4枚採用安定の新カードが追加されたことで、《虎杖》枚数および2エナ発生枠の無理ない増加で安定感が大きく増加する形となりました。

NCS発売前の時点でざっくりと〈紫ギアス〉〈紫BLEACH〉〈宿儺〉+やや劣勢の〈白夜叉〉という環境であったところに、〈宿儺〉に小さくない強化が入ったことで環境は《虎杖》優勢に傾くこととなりました。そのためか、近畿エリア予選BEST32に〈宿儺〉デッキが半数、東北エリア予選BEST16では6割超を占める形になっています。

近畿エリア予選から東北エリア予選の間には『コードギアスVol.2』が発売されています。上記に挙げたTOPTierデッキでは〈紫ギアス〉の選択肢が少し増えていますが、欠点とする安定面の強化はありませんでした。そのことから、環境に大きな変化は無いと見て前期から引き続き〈宿儺〉デッキを選択する方が多かったようです。

結果的として、どちらも〈宿儺〉デッキが優勝しています。

余談ですが、〈宿儺〉デッキ隆盛の後を追う形でレイド《虎杖》に強いカードを有するテーマ/カードに注目が集まり始めています。東北BEST4に入った〈緑ギアス(ランスロット)〉や〈紫銀魂〉はその一つです。BP5000で攻撃できる6《ランスロット》や4《神威》は相手のレイドトリガーで登場した《虎杖》の影響を受けない点で評価できる対〈宿儺〉で有力なカードとなっています。今後の関東B予選まではBP4500以上で攻撃できるアタッカーを擁するデッキに注目が集まる事になりそうです。

〈宿儺〉デッキはなぜ強いのか

そもそも強いデッキとは?

評価項目
盤面力速攻性能対応力安定性

デッキの強さを考える指標として、当サイトでは「盤面力」「速攻性能」「対応力」「安定性」の4つに分けて考えています。「盤面力」及び「速攻性能」は合わせて「ダメージプランの質」や「攻撃力」などと言い換えても良いでしょう。

具体的な評価方法については以下記事の「#評価の基準」にてまとめているので良ければご覧ください。

宿儺デッキは各項目で高い性能

結論から述べると、〈宿儺〉デッキは4評価全てで低い点が無く、非常に高い水準でまとまっています。以下でそれぞれについて深く見ていきましょう。

「盤面力」

この項目は盤面にエナジー比BPの高いキャラや常時インパクト/ダメ2キャラを並べられるかを考えられる項目です。〈宿儺〉デッキは標準スタッツ(0/2000,1/2500,2/3000,3/3500,4/4000)のキャラを並べやすいため、少なくとも平均以上の性能を持っています。加えてメインアタッカーである〈宿儺〉が緩い条件で自ターン中BP5000+インパクト1になるなど、+αの強みもしっかり持っています。

優秀なスタッツにより、現環境においては先に展開した〈宿儺〉の攻撃を基本的に止めることはできない格好になっています。環境には標準スタッツを上回るBPを持つキャラは数が限られるほか、自ターン中のみなど条件が付いています。相手の攻撃を止められないとしても、攻撃は十分通せるBP帯なので序盤のダメージレースで遅れを取ることはありません。

肉厚な小型キャラ達

「速攻性能」

この項目は、小型キャラのスタッツも重要ですが、それ以上に2エナ発生キャラをどれだけ無理なく採用できるかが肝になります。2エナ発生キャラを多く採用できると、その分小型キャラを前出ししやすく、早い段階から打点を形成できます。その点このデッキは2種の3-1《虎杖》によって少ない枚数でエナジーを回しやすく、エナジーラインで小型キャラを遊ばせる事が少ないのは大きな強みとなっています。

また、後述する「対応力」にも掛かる部分ですが、レイド《虎杖》により早い段階で相手の盤面を開けやすいのも速攻性能に影響しています。相手のフロント面を2体以下にしやすく、序盤にフロントに並べた小型キャラの打点が複数回有効になりやすいのも強い点です。

要するに、必要エナジーの頂点が4でありながら、2エナ発生キャラを無理なく8枚以上積める事と4エナジーと軽いレイドでBP4000を除去できる《虎杖》が速攻能力を下支えしていると言えるでしょう。

「対応力」

この項目では、相手の戦術をどれだけ崩しやすいか≒デッキ全体の除去性能と、トリガーによる打点吸収能力を評価しています。

この項目においては言うまでもなくレイド《虎杖》が非常に優秀です。レイドトリガーで相手のアタッカーを減らしながらブロッカーを増やせるため、防御性能とカウンター性能に非常に秀でています。「安定性」にも掛かる部分ですが、通常のデッキと違ってレイド元である《虎杖》を16枚積めることでレイドトリガーの受けやすさが段違いで優秀です。

また、多様なドローソースにより、Final《領域展開》やSpecial《逕庭拳》を探しやすいのも脅威処理に大いに役立っています。《逕庭拳》自体も《虎杖》がいるだけでBP5000退場ができるタイプの除去札です。場に特徴がN種類必要なものや、場外のイベント枚数を参照するもの、除去以外のSPと比べると使いやすさが段違いです。

通常トリガー性能は並ではあるものの、構築によっては《パンダ》⇔《七海》のように性能とのトレードでトリガー持ちを増やす事もできます。

「安定性」

このデッキにおいて最も突出しているのがこの項目です。

安定感に繋がる最も大きな要素がドロー能力ですが、おそらく全デッキタイプでも最高クラスにドロー能力の多いデッキタイプとなっています。序盤から《野薔薇》や《真希》で必要なパーツを探しにいけるほか、メインアタッカーである《宿儺》でも有効な手札を増やすことができます。

また、条件発動条件である《宿儺の指》も中々強力なカードで、ほぼコスト無しでカードを手札の入れ替えられます。これにより、実質的にデッキ46枚でプレイするようなものになり、目指すプランである小粒展開+《宿儺》でフィニッシュという動きを安定して行えるようになっています。

たくさんのカードを引けるというのは、つまりFinal《領域展開》に触りやすいということでもあります。バトル中の出力におけるボトルネックは基本的にはAPなので、相手よりもAPを多く使いやすいデッキタイプはそれだけで有利になります。通常はFinalを使っただけ手札が減っていくため動きが弱くなっていきますが、このデッキでは《禪院真希》や《宿儺》、大量のゲット/レイドトリガーで減った手札を回収/質を向上できるため、増えたAPも無駄になりにくいです。

そして、〈宿儺〉デッキを王者たらしめているのは、レイド元共有による名称事故の起きにくさに他なりません。他のデッキが複数のレイドラインを採用している中、〈宿儺〉デッキだけは2種のレイドキャラを同一かつ16枚も積める《虎杖悠仁》からレイドさせることができます。さらに、2種のレイドを盤面に揃える必要もなく、どちらも単体で十分以上に強力に働きます。

〈炭治郎&禰豆子〉〈凪&玲王〉〈noctchill〉デッキなど特定のキャラと組み合わせることで一人前の能力を発揮するテーマは挙げてもキリが無いほどある中、〈紫BLEACH〉のようにレイド単体で機能するデッキが評価されている現状です。その上で、〈宿儺〉はメインアタッカーが単体で機能するレイドキャラかつレイド元も共有できるというテーマなのです。安定感で言えば現状Tier2に相当するデッキ(これらも十分強いです)よりも2~3段階以上は高い位置にあると言えます。

また、安定して理想の動きができるデッキは7~8戦中6~7勝が求められる予選形式との相性も良いです。CS予選で〈宿儺〉デッキを選択する人が多い理由、決勝トーナメントに数が多い理由はデッキ自体の強さだけでなく、この特性による部分も大きいでしょう。

おわりに

ご覧いただきありがとうございました。

少し乱雑でしたが、直近で宿儺デッキについて考えていた事を文章化してみました。巷では禁止改訂も話題になっていますが、デッキ全体が強力なカードで埋まっているためかなり難しいように感じます。

記事内でも述べたように、ある程度対抗策も講じれるものの、基本的な安定感が全デッキでも頭二つ抜けてしまっているため何かしらの介入がない限りは高い勝率を保ち続けることになりそうです。

直近2回の大会結果により宿儺デッキが抜けて強いことは間違いなく認知されたため、今後の公式の動向、新カードの追加、ユーザーによるデッキ開発で環境がどう変わっていくかが楽しみです。

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