ユニオンアリーナのONEバトルルール「僕のヒーローアカデミア」環境の考察です。ユニオンレア争奪戦に向けた調整の参考にご覧ください。
ヒロアカ争奪戦 デッキTier
環境の中心はオーバーホール(死穢八斎會)デッキ
何故オバホデッキが強いのか?
- 低エナ帯にドローやサーチ効果が多く動きが安定する
- デッキ切削能力によりデッキが捲れる枚数が非常に多い
- 場外利用カードにより欲しいカードへリーチしやすい
- 主力の必要エナジーが低く序盤から攻めやすい
- Specialの除去テンポが良い(エナジーを発生させつつ除去できる)
- 強力なSpecial札にリーチするカードがある
- 環境のBP5000がAP2でテンポが悪く4000インパクトの通りが良い
- 環境に4000インパクトの数が少ない
- トリガーも強く受け性能も高い
ドローやサーチ能力で序盤から動きが安定する
オーバーホールデッキが強力な理由の一つとして、序盤札の登場時能力による動きの安定感があります。
0エナのミミックは登場時にカード引き直しができる上、アクティブトリガーや特徴:死穢八斎會を持つ多方面で便利な1枚です。中終盤以降は強いカードではありませんが、最終盤に欲しいカードを無理やり探しに行く際に活用できるなどもあり、このデッキを支える縁の下の力持ちです。
1エナのオーバーホールは登場時に山上4枚から特徴:死穢八斎會やエリを回収できます。メインアタッカーのレイド《オーバーホール》を回収できるだけでなく、中盤の動きの軸となる2《エリ》や《クロノスタシス》も選んで回収できます。自身がレイド元になることもあり、終盤に引いてもそのままアタッカーへ繋がることで全場面で活躍する1枚です。レイドデッキにおける最も理想的な低エナジー帯と言えるでしょう。
2《トガヒミコ》はレイド元であり、登場時にカードを引ける能力を持ちます。最低でもミミックと同じ手札入れ替え能力で、捲れたのがレイドキャラだとそのまま手札が増えるため、動きの選択肢が広がります。シンプルに《オーバーホール》のレイド元のかさ増しができることもあり、デッキの柔軟性と再現性に貢献する強力な1枚です。
他のデッキも動き自体は強力なものはありますが、その動きをするために都合よくカードを引きこまなければいけません。序盤のドロー能力の時点でオーバーホールデッキ以上のものがなく、動きの安定性において1歩抜けています。連戦するほど安定感の勝率への寄与は大きく、かなり競技シーンに向くデッキと言えるでしょう。
デッキ切削能力と場外利用による再現性の高さ
このデッキの安定感はドロー能力によるものだけではありません。アタッカーのレイド《オーバーホール》や《エリ》は登場時に山札上から3枚を場外に置くことができます。さらに、場外から特定のカードを手札に加える効果を持つため、場面に応じて必要なカードを回収することができるのが強力です。
オーバーホールでエリ、エリでオーバーホールを回収できるため、この2枚でループさせる事もでき長期戦でアタッカーを供給し続けやすい点も魅力です。
イベント《死穢八斎會》も強力で、序中盤に大量に肥やした場外から、特徴:死穢八斎會のカードを蘇生することができます。手札の状況に合わせてオーバーホールのレイド元やレイド先を選んで出せるほか、エナジーを満たすためのクロノスタシスを釣るなども可能な柔軟なカードです。このカードによって、実質的な主力レイド枚数が増やせるため、アタッカーの不足に悩まされにくいです。
必要エナジー帯が低く序盤から動きやすい
同じヒロアカ環境のデッキと比べて、必要な最大エナジーが4と軽めなのも立ち位置が良い理由です。
5エナジーが必要なデッキと違い、1ターン早くフロントラインにキャラを供給する余裕があり、序盤にライフを1~2点詰めやすい点でライフレースに差がでます。
序盤キャラのBP帯は低めなので同速のデッキに対しては有利が付く部分ではありませんが、同じ4レイド主軸のデッキが基本的に赤の轟焦凍デッキしかなく、ミリオ/ホークス/死柄木の3種のレイドデッキに対して速度で上を取れるのは明確に立ち位置が良い理由となります。
Specialのテンポが良い
どのデッキにも採用される確定除去枠(Specialトリガー)の《個性消失弾》が、他のSpecialと比べてテンポが良い点がデッキの強みとなっています。
通常は使い捨てのイベントカードが主流ですが、このカードは場に残ってエナジーを発生させられます。エナジーが出る分、エナジーラインのキャラをフロントに移動させる余裕が発生するため、テンポ良く除去できるのは大きな魅力です。
フィールドが場から無くなると除去効果が無くなるのは欠点ではあるものの、ヒロアカ環境においてはフィールド除去カードが存在せず、実質的に確定除去となります。除去対象が相手の場に残る事などのデメリットもありますが、それを上回るメリットを持っています。
Specialがエリの能力で回収できるのも非常に強力な点です。通常のデッキではSpecialはドロー以外でリーチし辛く、ライフから捲れた分は使い回しが効きません。そのため、通常は確定除去回数は手打ち+トリガーの4回が限度となりますが、このデッキではエリの能力で回収できるため確定除去4回+トリガーした回数だけ発動できてしまいます。
4000インパクトの通りが良い
BP4000のインパクト持ちはユニアリの基本性能と言っても良いスペックですが、ヒロアカ環境においては非常に通りが良い能力です。
大きな理由として、天敵となるBP4500以上のキャラが機能しづらい事があります。ヒロアカ環境におけるBP4500以上は《オールマイト》と《オールフォーワン》のみで、いずれも場に出すのにAP2が必要です。出すのにAP2が必要なキャラは登場時に役割をある程度遂行できない限り、除去された時のテンポロスが激しく、除去にリーチしやすいオーバーホールデッキに取っては対処が容易なカードとなってしまいます。
4《オールマイト》は最速で出せれば高BPで上から抑えるのに間に合いますが、1ターンしか5000BPで立てない点と、2APな分並べられる枚数が減るので横展開による攻めに対応できません。8《オールマイト》はイベント《私が来た!》から最速着地できれば流石に何点かライフを守れますが、再現性に欠ける点から対抗馬としては一歩物足りない性能です。2エナ1APで出せることはまず無く、仮にあってもその時点でかなり劣勢で即除去されるとそのまま枚数差で負けてしまうため考慮には値しません。《オールフォーワン》が最も厳しく、出すのに最低5エナ必要なためほぼほぼ即除去できてしまいます。
他の環境を例に出すと、強力な4000インパクトである《竈門炭治郎》は、鬼滅環境においては6/1/4500の《行冥》が壁となってメタゲームが回っていました。同じく《クロロ》は《クラピカ》に止められるなど、各環境で4000インパクトの通りが良いかどうかはその対抗馬の有無に大きく左右されています。
オバホデッキの3種類
オバホデッキの基軸部分(44枚)
基軸となる44枚はほぼ変える所が無く、強いて言えば《死穢八斎會》の枚数を調整する程度です。そのため、空きの6~8枠にどのカードを入れるかでデッキタイプが分かれるという状況です。
なお、ONEバトルルールにおいてはミラーマッチが非常に多いため、不利盤面を返せる/有利を押し付けられる《好きにやろう》は減らさずに4枚採用することをオススメします。
3種のセットでデッキに個性が出る
トゥワイス軸 | 荼毘軸 | ジェントル軸 |
---|---|---|
自由枠に採用するセットとして有力なのが《トゥワイス》、《荼毘》+α、《ジェントル》+《ラブラバ》で、それぞれ採用のメリットがあります。
《トゥワイス》は序盤の動きを加速でき、ミラーマッチでも相手より先に攻めてライフに圧を掛けて行くことができます。序盤に強い分、後半に仕事をせず、トリガーから捲れてもあまり嬉しくない点が残念です。強力なセットではあるものの、ミラーマッチで後手2ターン目以外で強力なタイミングが少なく、個人的にはONEバトルルールにおいてはオススメしづらい枠です。
《荼毘》は最も安定する択です。基本的に非レイドで出して戦力とするため他の2パターンと比べて1枚で完結し、事故になることがありません。基本的にBP4000が並ぶ環境なため一枚でライフに圧を掛けられるのは他2パターンにはないメリットです。また、トガからレイドで出すことはできるため、いざという時にBP3500除去ができるのも魅力の一つです。ミラー以外だとレイド《緑谷》や《爆豪》に美味しく対処できてしまうため、テンポを取りうる点は評価できます。筆者は荼毘型推奨です。
(追記)2枚の枠に2荼毘を採用することで、序盤の壁兼レイド元として運用することができます。レイドしてのBP3500除去が役に立つマッチアップが増えており、一定活躍してくれるためより使い勝手が良くなっています。
《ジェントル》は引きによる強弱がピーキーなものの、上手く使えた時の勝利への貢献度は最も高いです。インパクトを持つことと、ラブラバとコンボで盤面を継続的に除去できる点から、相手にとっては除去必須なアタッカーとなり、手札のSpecial等から後続のオーバーホールを守る事ができます。また、アクティブトリガーを持つ点も強力で受け札として十分な性能を発揮します。デメリットとして、基本的に単体ではあまり機能せず、ラブラバを引いていないとプレイし辛い点があります。ジェントルだけ出して除去させるなど一定の駆け引きができれば十分と言えなくもないですが、強さが引きムラに左右されてしまう部分は否定できず、運が悪いとノイズになる可能性は一定ある点は把握しておきましょう。とはいえ、その場で不要なら各種引き直し能力で捨ててしまえるため極端に困ることはありません。
オバホミラーの立ち回り
個性消失弾を集める事と使いどき
《個性消失弾》は相手のキャラを問答無用で行動不能にする確定除去カードです。ユニアリでは、レスト状態のキャラを退かしてキャラを出す場合、場外ではなくリムーブエリアに置かれます。そのため、場外に送らずに盤面に固定させる《個性消失弾》による除去は、相手のレイド《オーバーホール》の再利用を防ぐ事ができます。
オバホデッキにおけるライフの詰め手段はほとんどがレイドオバホに頼る形となっています。《エリ》や《死穢八斎會》による使いまわしを防げば、ライフロスは大幅に減らせます。ミラーマッチにおいては、相手の展開に合わせて《個性消失弾》を使えるよう、ドロー能力や2《エリ》の展開を優先してプレイするよう意識すると良いでしょう。
メインギミックからどれだけカードをプレイできるかが鍵
ミラーマッチは細かい応酬はあるものの、基本的には純粋にレイドオバホ含むBP4000を並べてどれだけ攻撃できるかの徒競走です。自由枠に採用したカードを上手く使おうとせず、メイン戦術であるレイド《オバホ》複数の展開を目指しましょう。
基本の動きが安定する分、ジェントルやトゥワイス等のギミック外のカードをプレイしてもたついた方が少しずつ敗勢になりやすいです。エリやオバホの切削能力で場外を増やしつつ、1《オバホ》からレイド《オバホ》を持ってきて、《クロノスタシス》と合わせてアタッカーを盤面に素早く展開していくのが重要です。もちろん序盤のフロントライン形成の意識も必要です。
対オーバーホールでデッキを考える
オバホデッキは抜群の安定感とギミックと環境での立ち位置が良好という点で、ヒロアカ環境のTOPTierと現時点では結論づけていますが、ギミックのパワー自体はずば抜けて高いわけではありません。そのため、良く回った他デッキに負けることも珍しくはありません。以下で対オバホを前提として勝てそうなデッキを紹介していきます。
速度で上を取る 緑《緑谷出久》デッキ
Finalを使わずにオバホデッキに速度勝ちできるのはヒロアカ環境においては《緑谷》デッキのみだと考えられます。序盤から0エナを前に出し、《麗日お茶子》で高パワーキャラを素早く前線に供給し、レイド3《緑谷》による連続攻撃でライフを削りきります。インパクト無効の《切島鋭児郎》や、相手のFinal使用に対して速度負けしないよう《PlusUltra》を少し採用するなど調整できる枠もいくつかあります。
デッキの欠点としてはトリガーが弱いため、相手が都合よく展開しこちらより早く殴ってくると挽回が難しい点です。また、低エナ帯に強力なカードが多いため、ゲーム開始時点での手札の質が非常に重要になってきます。上手く回ればオバホがライフを削り切る前に倒せますが、確率には少々難ありといったところでしょう。
肉厚な盤面を作れるプロヒーロー&焦凍
序中盤にBP4000の中型キャラを展開しつつ、レイド轟焦凍による半除去、エンデヴァー&レイドホークスによる瞬間火力を押し付けてライフを一気に削り取るデッキです。アクティブトリガーも多く、序盤から3000~4000の壁を立てられるため、比較的受けが固く、4000未満からの攻撃をある程度受け止める事ができます。
展開をPlusUltraに、ドローを3ホークスとトリガーに頼る形になるのでオーバーホールデッキほど安定はしませんが、しっかり回れば十分に勝機はあります。
ブロック性能に特化したオールマイトデッキ
BP5000と複数回ブロックが可能な8《オールマイト》を中心とし、相手ターン中にBP5000になる4《オールマイト》や、2回ブロックを得られる《天喰環》を並べる、かなりブロック性能に長けたデッキです。複数回ブロックと相性の良いアクティブトリガーも計12枚採用でき、テンポ良くキャラを展開できれば受けるダメージは一般的なデッキと比べてかなり抑えられます。基本的には4エナジーで動けるため、思ったよりもフロントラインを展開できるタイミングは遅くありません。
4000BPインパクトデッキへの回答にはなりますが、AP2のキャラが多くSpecialであっさり除去されてしまうリスクは高めです。《PlusUltra》も絡めて、高BPキャラを多面展開して除去のリスクをケアできればオバホデッキへも十分に勝機を感じられるデッキです。
リムーブ除去持ちの中速型ヴィラン連合
《死柄木弔》軸の明確な利点として、《崩壊》で相手のレイド《オーバーホール》をリムーブできる点です。再利用を許さないことで、インパクトによる打点を制限し、小型キャラで守っている間に《ギガントマキア》などでライフを詰めていけます。レイド死柄木でBP2000以下を簡単にリムーブできるので、《ミミック》や《エリ》などのチャンプブロッカーを並べられる事も防げます。
8《オール・フォー・ワン》を不採用にすれば起動メイン能力に囚われることなくデッキを組め、比較的序盤にも強いデッキ構築が可能です。一定事故が発生するデッキですが、こちらも十分に回ればオバホデッキを上から抑える事ができるテーマとなっています。
おわりに 環境はオバホデッキ一色なのか?
ご覧いただきありがとうございました。
筆者の触れた範囲では、ヒロアカ構築《オーバーホール》デッキが強力なことは概ね正しいと考えています。ただ、実際の環境はオバホだらけという訳ではありません。正確には、オバホだらけの環境もあり、そうでない環境もあるでしょう。
ユニオンレア争奪戦は各店舗16人という比較的小規模な大会なため、デッキ分布は参加プレイヤーによる差が大きく出ます。また、他のデッキに勝機が無いわけではなく、どのデッキも選ぶにたる理由はあると思います。キャラ愛でデッキを作れるのもユニオンアリーナの楽しいところですからね。
雑多な環境であることを考えると、争奪戦に持ち込むならやはり安定するオバホデッキがオススメとなります。ただし、相手が何のデッキを使ってくるかは視野狭窄にならず、様々なデッキとの対面も想定して多少練習しておくと良いでしょう。
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